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TeruPaPaの家と子どもと健康と

新築で注文住宅を建てる際の細かいところまで、時系列を追いながら綴っていきます

A018【2016/07/18 高断熱をどこまで重視するか】

 住宅を建てようと思ったとき、ハウスメーカーの謳い文句で必ず出てくる「高気密高断熱」。

これについて少し勉強して、どのくらい必要なのか考えてみたいと思います。

今回は高断熱について考えて見ましょう。

 

目次

 

高断熱とQ値

 身近にある高断熱のものといえば水筒です。

水筒は真空層を作って熱の行き来を防いでいるので住宅には応用できませんが、水筒くらい外と中の熱が伝わらなければエアコンでの温度調節が容易になり、とっても省エネです。

 

 高断熱であれば冬の床の冷たさも、夏の蒸し暑さも軽減されますが、熱は壁や床、窓や屋根から伝わっていきます。

家の断熱性能を数値的に表しているのが「Q値」です。

熱損失係数というもので、外の室内の温度差が1℃あるときに1平方メートルあたりから伝わっていく熱量がどのくらいかを示しています。

単位は[W/(m2*K)]で、Q値が小さいほど伝わっていく熱量が少ないので、高断熱ということになります。

 

Q値は家の仕様(外壁、窓材、基礎等)から計算で求めることができます。

Q値の単位がワットWでエアコンの消費電力もワットWですから、ものすごく大雑把に考えればQ値が半分になれば熱の移動も半分になるので、エアコンの消費電力も半分で済むということですね。

 

「Q値が小さいほど断熱性能が良くて、悪いことは何もなくて最高!」

ということですが、現実には色々な問題があります。

 

一つは、Q値を大きくしてしまう最大の原因は窓だという点です。窓は壁に比べると圧倒的に熱が行き来しやすい部材だからです。

 

Q値だけを考えれば窓は一つもないほうが良いでしょう。

気密性を考えたときも、換気は機械的に空気の流出入をさせれば何も問題ありませんから、窓が減ったほうが良いと言えます。

 

そうは言っても、窓がない空間の閉塞感は精神衛生上良くないものがありますし、建築基準法にて居室となる空間には一定以上の採光をとりなさいというルールが定められています。

 

それに建築基準法ギリギリまで採光を少なくした空間は薄暗く、人工的な光だけなので健康にも良くなさそうです。

 

 

 

次にQ値を大きくしてしまう原因が、外壁の面積、つまり家の形です。

外壁というのは外と室内の境界部分ですから、当然これが少ないほうが熱は伝わりにくくなります。

 

最も外壁の面積を少なくして述べ床面積を確保できるのは正方形(奥行きと幅の長さが一緒)です。

Q値を重視するならば、正方形で凹凸を極力排除した、1階と2階の大きさが同じ家が良いでしょう。この豆腐のような形を許容するかどうかです。

 

ハウスメーカーが宣伝しているQ値はきっと最良のものでしょうから、このような真四角で窓の少ない家を想定している可能性があります。鵜呑みにするのは危険ですから、確認をとったほうが良いかと思います。

 

 

Q値の最適値は?今はUA値が基準。

結局、Q値を最重要と考えて家づくりをすると理想の家からは遠ざかってしまうなので、落とし所を探そうと思います。

Q値はどのくらいの値を目指せば良いのでしょうか?

 

ネットで調べてみると、国が次世代省エネルギー基準を掲げ、Q値とC値(気密性を表す値。次回説明します)の基準値を定めているようです。

パッと調べて出てきた値は、北海道と東北を除く殆どの県ではQ値は「2.7」でしたが、これはどうやら「平成11年基準」のようで、もう少し調べると平成25年に見直されています。

平成25年の改正により、Q値ではなくUA値という異なる基準値を採用していました。

 

このあたりは

「住宅・建築物の省エネルギー基準 平成25年改正のポイント」

という国土交通省住宅局が配布したパンフレットの4ページをご覧ください。

https://www.mlit.go.jp/common/000996591.pdf

 

更に調べていたら新たに

「ZEH(ゼロエネルギーハウス)」

という基準が出てきました。

 

地元の工務店探しで少しだけ触れましたが、「建築に伴い国から補助金が出る制度」です。

A014【2016/07/12 地元工務店の探し方】 - TeruPaPaの家と子どもと健康と

 

 

ZEHとは

「将来の深刻なエネルギー不足に備えて、省エネと発電を推進して電力会社からのエネルギー供給にできるだけ頼らない家を増やそう」

というもので、2030年の新築住宅の標準目標となっており、UA値の基準がありました。

 

ZEHは省エネによるエネルギー問題の解決の為に作られた基準なので、高気密高断熱に対しては厳しい基準を設けています。

これを目標値としておけば間違いないでしょう。

更に今このZEHに準拠する家を建てれば、100万円以上の補助金が受け取れます

 

中々探すのに苦労して、結局この制度を取り仕切っている一般社団法人(sii環境共創イニシアチブ)の公開資料にまで目を通すことになりました。

平成28年度補正予算 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)普及加速事業費補助金 | SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブ Sustainable open Innovation Initiative

 

国の基準では既にQ値からUA値に置き換わっていますから、ハウスメーカーと断熱性について議論、意見するときもUA値で話していくべきかもしれませんね。

 

先程紹介したZEHの公募要領を読むと、15ページあたりに家の性能値に対する規定が書いてあり、静岡県のUA値は「0.6」でした。

北海道では「0.4」、東北では「0.5」で、その他が「0.6」という設定です。

 

この0.4~0.6の差はあまりないように感じるかもしれませんが、UA値0.6は0.4の1.5倍ですから、断熱性能としてはかなり大きな差があるのだと思います。

 

静岡県はおそらくUA値0.6の地域の中でも温暖な場所なので、基準値を超えて北海道クラスを目指す必要はないと思います。

私としては今のところ、UA値はZEH基準値をクリアしていればOKというスタンスで行こうと思います。

 

ちなみに、平成25年度のZEH支援事業においてQ値の記述があり、北海道と東北が「1.4」、その他(沖縄を除く)が「1.9」とありました。

このことから、UA値とQ値の感覚的な差は掴めそうです。

本来算出方法が異なるものなので正しくはありませんが、「Q値はUA値の3倍程度」という認識でいることにします。

 

さぁ、今回は難しい話でした。次回は高気密(C値)の話です。気密性に関してはZEHに記述がないので、国の基準はないようです。その分、どのくらいの値を目指せば良いのか迷うかもしれません。